マーケットニュートラル投資の世界 ― ヘッジファンドの投資戦略 (ウィザード・ブックシリーズ)
ジョセフ・G・ニコラス パンローリング パンローリング 三菱信託銀行受託財産運用部門
ヘッジ・ファンドの投資スタイルについて学問的に書かれた本です
本書は、ヘッジファンドの具体的な投資手法について説明した専門書です。
大学では、本書を参考書として指定しているところがあります。若干高価ですが、バランス
良く一通りの内容を知ることができます。
ヘッジ・ファンドは、情報開示が少ないこともあり、一般には博打のような形で収益を
上げていると思われがちですが、実際には一定のファンダメンタル分析によった投資行動
を取っていることが多いとされており、本書では投資スタイルの型を順々に追い、各投資
形態が持つリスク※収益構造を説明します。
※「マーケットニュートラル投資」と題名にありますが、それはヘッジファンドの
想定する市場構造の通りならば、市場リスクを持たない/減少させた投資構造で
あるという意味です。全くのリスク・フリーになるわけではありません。
ファイナンスの基礎を学んだ読者ならば、オプションや空売りによる、具体的な利益の上げ方
のイメージがつかめ、ヘッジ・ファンドについて学問的・分析的な見方ができるようになる
でしょう。
また、ヘッジ・ファンドは、常識的とはいえ、特定の経済的状況・価格形成を想定している
(例えば、残存期間が近接する同種債券間の価格は、もし乖離しているならば徐々に収斂
していく)ため、市場が一時的に混乱して前提が崩れると、一気に倒産・清算することが多々
あります。その最大の事例として有名な、LTCMの手法も若干取り上げています。
なお、本書は読者として、リスク資産の価格変動及びオプションや先物についての基礎的な
知識が求められます。以下の内容は説明なしで出てきますので、事前に理解している必要が
あります。ファイナンスの知識が全くない人を対象にした本ではなく、専門書ですので注意
された方がいいでしょう。
1.感応度の異なるリスク資産を組み合わせて持つと、個別に持つよりも
収益を落とさずにリスクを減らすことができ、そのリスク最小となる
点をつなぐと、有効フロンティアと呼ばれる線ができる。
2.その線上の頂点;リスクが最小の点が一番よい「わけではなく」、人々の
期待効用最大の線と、有効フロンティアが交わる点が、最適解となる。
※「多少ならば」リスクがあっても期待収益率が高い方を好むため。
3.転換社債の価格は、現在の株価が行使価格よりも低くても、社債部分以上の
価値を持つ。これは、転換部分が、オプション価値として値付けされ、
価格に上乗せされているため。
本書と合わせて、実際のヘッジ・ファンドの破綻例として有名な、LTCMの事例を扱った
「最強ヘッジファンド LTCMの興亡(日経ビジネス人文庫)」を読まれることをお勧めします。
同書は、一般的な読み物の範囲を超え、同ヘッジ・ファンドの投資形態の変遷や、ヘッジ・
ファンドが取引で使う業者の動向についてかなり細かく追っていますので、学問的な興味が
ある方にも有益でしょう。
ヘッジファンドの運用手法に関心のある人にお薦めです
マーケットニュートラルというタイトルでは、何の本だか最初、あまりピンと来ませんでした。サブタイトルは「ヘッジファンドの投資戦略」。これで本書がヘッジファンド関係のことについて書かれた本だということがわかります。近年では、資金運用担当者の間では、ヘッジファンドなどへ投資するオルタナティブ投資(代替的投資といった訳が多いようです)への注目度が高まっているようです。近年の機関投資家は株式や債券などへの通常の投資活動で十分なリターンを上げられなかったり、運用先の多様化といった課題に直面しているからのようです。さて、本書はそんなヘッジファンドの運用手法の中で、売りと買いを組み合わせてリスクを中立化する手法を解説した本です。本書では、債券アービトラージ、転換社債アービトラージなどなどを始めとして、いろいろと紹介されています。本書は個人投資家向けというよりは、オルタナティブ投資を検討している機関投資家の運用担当者向けの向けの本です。内容は比較的読みやすく、訳もこなれているので、ヘッジファンドに関心がある人には推薦できる1冊です。
投資戦略自体やマーケットニュートラル戦略のリスク管理に役立つ本
この2年間、一部の最先端・機関投資家が「マーケットニュートラル」のヘッジファンドに投資したという話題が新聞に掲載された。最近は、個人投資家向けの投資信託で「マーケットニュートラル」を採用しているファンドも出てきている。本書は読みやすい内容であることから、読者対象としては、運用関係者だけでなく、基金の関係者や銀行・証券会社の営業担当者、個人投資家、学生など様々であろう。
本書には2つの利点があると思う。1つは、この投資戦略自体を学べるという点、もう1つは、それぞれの戦略の特性を知ることでリスク管理に生かせるという点である。特に後者は重要であり、投資している「マーケットニュートラル」ファンドが実際どの投資戦略を採用しているのか、そのリスクはどの程度見ておけばよいのか、判断するのにとても役立つと思う。
5,800円 ― 少し高いと思ったが、「マーケットニュートラル」の講演に行けば5万円はかかるという。本書の内容であれば、まあ割安だと判断できる。
基礎から学ぶ投資信託―初めての人へプロからのアドバイス
乾 一夫 太陽企画出版 太陽企画出版
本当に知りたい投資信託 儲け・手数料・評価のしくみ
松尾 健治 日本実業出版社 日本実業出版社
金融機関のホンネがわかる本
投資家に賢くなってほしくない、金融機関が推奨するものを疑いなく買えばいいという金融機関のホンネがよく見える本です。
それにしても投資信託で基準価額の値上がりは期待するなとか投信の手数料はファンドラップに比べれば安いとか、もはや失笑してしまうような意見のオンパレードです。
昨今の投信批判に対抗したいという意思は伺えるが、いかんせん説得力あまりにないので、ただの痛い意見になってしまっている。
生保も含めて日本の金融機関に未来はないことを感じさせる1冊です。
ノルマを抱える現場の販売担当者には必須の本でしょう。
この本に載っている内容を使用してセールスに励んでください。
業界歴25年はだてじゃない
本の具体的内容に言及しているレビューだけが軒並み低評価、という書籍も珍しいですね。著者は、買い手のメリットは売り手のデメリットという鉄則をよく心得ていて、投資家に有利な情報を何とか伏せようと頑張っています。高度な職業倫理に貫かれた業界人とは彼のような人のことを指すのでしょう。
・投資アドバイスとやらの有効性を何ら定量評価せずに、窓口に行くように誘導。
(実際窓口でどんなありがたいお話が聞けるかは、『知らない人だけが損をする投資信託の罠』に詳しいです)
・同じ投信でも購入手数料が有料の販社と無料の販社がある、という実情を華麗にスルーしつつノーロードファンドに警鐘。
・インデックスファンドやETFについては、選択肢の一つとしてすら言及せず。
(ひた隠しにしたい大人の事情でもあるのでしょうか?)
・グロソブ(債券100%)とピクテ(株式100%)を毎月分配というだけで同等扱い。リスクの違いに触れもせず。
以上の内容から、投資家には引き続き無垢な鴨ネギでいてほしいという切なる願いが伝わってきます。本書を読んで賢明な投資家になろうと思った若年層の方はご愁傷様です。「中高年層にとって」という擁護論の前提を、タイトルや帯のような目立つ場所ではなく本文中にこっそり忍ばせた著者の奥ゆかしさ、ぜひ私も見習いたいと思いました。
<追記>過去のいくつかの好意的レビューが全面改訂して具体的内容に触れてこられましたので、冒頭の一文は撤回させて頂きます。しかしまあ本書のレビューにおける星や票の割れ方は、売り手と買い手の利益がやはり相反するということを物語っていて興味深いです。(12/18/07)
新しい視点を提供してくれます。
最近の投資信託に関する書籍は似たり寄ったりの内容が多く、本当に読むべきものは数少ないように思われます。しかし、この本は氾濫する『コピー本』とは違い、投資信託に関心を持つ読者に対して興味深い論点を提示してくれていると思います。例えば、最近の投資信託批判の多くは手数料の割高さを問題にするケースが多いです。確かに、アクティブファンドの大部分が市場平均を下回っているという厳然たる事実を踏まえれば、手数料の安価なパッシブ・ファンドの方が一般投資家には相応しいという論法は分かり易いです。でも、投資信託は決して生きるための必要性に根ざした商品ではない(投信がないと生きていけない人はなかなか見つけられるものではありませんよね)以上、適切なアドバイスを受けて投資に踏み出す方が多いのが現実です。従って、投資に関する投資アドバイスが必要な人は相応の負担が必要なのは自然であり(サービスが無料と同義なのは日本だけ)、もし手数料が割高だというならば、それは販売および運用サイドの投資家に対するサポート体制の不備を批判しなければならないと思うのです。筆者の論点はあやふやな評価基準もなしに手数料の高低を論じる不毛さを指摘していると思います(顧客に対する運用情報提供の充実は筆者が常々訴えているところです)。アドバイスが不必要な人はインデックスファンドを使うなど無駄な手数料を抑えた運用すればいいと思います。要は投資家サイドが自分のニーズに合わせて選択すれば良いだけです。どちらが良い悪いという巷の議論はあまり意味がない気がします。昔、運用会社や証券会社が扱っていた直販専用(もしくはネット専用)のインデックスファンドが絶対的な資金流入の不足や相対的な管理報酬の高さなどでベンチマークからパフォーマンスが大きく乖離した事実などを思い起こせば、単純にインデックスファンドが良いという説明はあまりに無邪気すぎる(投資初心者に対しては無責任)と思います。
責任ある販売者、賢明な投資家、になるための基礎知識
25年間にわたり、日米欧でアセット・マネジメント・ビジネスに従事してきた筆者ならではの、経験と見識がギッシリと詰まったユニークな本。投資信託はプロの資産運用術を民主化した、20世紀最大の発明のひとつだと考えているが、日本では財閥解体時の受け皿として出てきたという不幸な歴史を持つ。現在の日本は、この似て非なる金融商品が、果たして庶民が資本市場に参加するための有効な手段として発展できるか否か、の正念場にあるという認識において、筆者と問題意識を共有するものである。業界関係者のみならず、一般投資家にも、商品そのものだけでなく、これらに関わる「コメントの質」を見分ける能力を養うために、是非一読を薦めたい。
セゾン、頑張れ!
レビューの評価などをみても、星1つか星5つのものが多く、これだけ票が割れる書籍も珍しい。 それだけ、批判派にとっても無視できないだけの理論・データを持った内容ということなのだろうか。 米バンガードがアメリカで退職者向けに毎月分配型ファンドの販売を始めるなど、毎月分配型の批判派にとっても、従来通りの批判が通じにくくなっている(日本もアメリカもダメ、とは言えるかもしれないが)。 投信批判を行うにしても、投信擁護を行うにしても、「高齢者にとって」「若年層にとって」など、きちんと前提を置くことが大切なのだろう。
この点に関しては、筆者は、前書きなど至るところで「中高年層にとって」と但し書きをしているが、多くの批判派は、自分の立場だけで毎月分配型や対面営業を批判しているような気もする。
以下のレビューにもあるように、低コストを売りに「○○日本株エンハンスト・インデックスファンド」を始めた異業種参入組は、3億円も集められず、わずか1年3ヶ月でファンドを償還し、撤退している。 こういった現実にも目を向ける必要があることを筆者は指摘しているのだろう。 一方で、我々にはセゾン投信という期待の星がいる。 現在は、セゾン投信がディスカウンターの役割を果たし人気を集めているが、早い段階で採算に乗り、償還の懸念をなくしてほしい。 そうなれば、「やはり、『ネット層にとって』ネットの直販は素晴らしい」、と声を大にして言えるのだが・・・。
現代社債投資の実務―社債市場の現在(いま)を考える
マネタリーアフェアーズ現代社債投資研究会 財経詳報社 財経詳報社 徳島 勝幸
待望のアップデート版☆
クレジット市場でオピニオンリーダーの作者の著書が数年ぶりにアップデートされた。以前の分も含めて、幅広く市場および各サブ市場のトピックが網羅されていて、楽しく読めた。また、新たに市場参加者になった立場の方や稟議書、論文等でクレジット市場の経緯をまとめる必要がある方などにもお薦めである。
おそらく、このような本は、日本のクレジット市場の発展の道しるべになるのではないだろうか。。。筆者の次作も楽しみである。
すばらしい、さすが世界一の機関投資家
本書は、法務につき利用するにはやや向きではない(細かく具体的には書いていない)が、資産運用関係者が仕事に必要な基礎知識を得る目的には最適の書だと思う。得てして社債関係は無難で本音が書いていないことが多いが、本書は日生関係者がここまでいっていいのか?と思うほどのびのびと記述されている。全体として見ても非常にバランスがいい。いい本を書いてくださったと思う。
普通の本3冊分ぐらい
実に内容の濃い本でした。普通社債市場だけではなく、クレジット・マーケット全体を見渡すことができるようになっていて、普通のこの手の本の3冊分ぐらいの内容が詰まっており、大変お徳だと思います。
この一冊で社債市場がわかる本
新版、といいながら旧版に全面加筆のほとんど新しい本という体裁。社債という商品、社債市場の発展と参加者という一般的な知識から、リスク分析や管理の手法、契約内容、市場の新しい動きや新商品まで、幅広いトピックをカバーした本。
特に注目されるのは、ここ数年目立つ社債のディフォルトをまとめた一章があること。社債という資金調達ツールが重要性を増し、不可避的にディフォルトの事例は今後も続くと見込まれるものの、倒産の専門家とファイナンスの専門家が十分にお互いを意識した議論がまだ途上であることも事実。ぜひ、金融の外側にいる実務家も、こういう本を使っていただきたい。もちろん、金融関係者にも参考になる。
決して初心者向けとはいえないトピックも数多く含まれているため、読み手によっては難しいと感じる箇所もあるかもしれない。世の中、わかりやすさを心がけるあまりにプロ向けの書物が減っているようにも思える昨今、そんな風潮に迎合しない硬派な本を評者としては歓迎したい。
社債を購入する前に読みたい本
機関投資家向けとイメージされるかもしれないが、現代の社債市場の問題点を鋭く抉った本であり、個人投資家も読むべき本だと思う。専門用語が多く、読みにくい面もあると思いますが、社債を投資する上でリスク認識するために必要なことだと思う。
日本人は競馬等の賭け事に対する勉強は勤勉にするが、こと投資に関しては不勉強であることが問題である。この本を読みこなせれば、かなり熱心に投資の勉強を行っていると評価されるのではないだろうか。
細野真宏の世界一わかりやすい株の本
細野 真宏 文藝春秋 文藝春秋
久しぶりに買ってよかったと思える本に出会えました。
とにかくわかりやすいです。
あと、挿絵がいちいちかわいいです。
それに数時間でサクッと読みきれる点も、とても気に入りました。
ちょいちょい出てくるエピソードも身近なもので(映画の話とか)
へーあれはそういう仕組みだったのか!
うんうんと、うなずきっぱなしで気づいたら読破してましたよ
ってそんな感じの本でした。
サルでもわかる本ってこういう本のことを言うんじゃないかと思います。
超絶にわかりやすい
以前大学受験時代に細野さんの参考書を読んで、そのわかりやすさに驚きました。
ただわかりやすくするだけなら実は簡単なのです。難しい部分をすっ飛ばして書けばいいのですから、
細野さんのすごさは普通なら難しくならざるをえないような部分までわかりやすく書いているところにあります。
つっかえるところがとても少ないのです。しかもずばっと核心に切り込んできます。これを読んだら
簡単に株で儲けられるのでは?という期待をもっている人にはおすすめできませんが、これを読んで株で負けても仕方ない、
そんな気分にさせられる本です。 目先の移り変わりだけでなくしっかりと株に取り組みたい、そんな人にお勧めします。
最初に読むべき本でした・・
株投資歴3年で投資本もひととおり読んだ後だったので・・・
嫁に読ませるにはぴったりかも。
内容はとってもわかりやすいし親切でいいですよー。
これから株を始めたい&株を知りたい人へ
株式投資を始める前に買って読みました。
全ページ3色刷りで、グラフやイラスト入りで株について説明されているのでとてもわかりやすいです。
内容は、実際の企業の株価の推移など解説してあるので説得力もありますし、
とにかく「株」への取り付きやすさはこの手の書籍ではNo.1だと思うので、
実際株をやらない方にも向いている内容だと思います。
(中学生くらいでも理解できる内容だと思います。)
基本的な内容なのですが、私は、初心をわすれないように読み返しています。
同本のステップアップとして&実際に株を始めたい方には、「実践編」が参考になります。
初めて株関連の本を買いました
まったく何も知らない未知だったけどわかりやすかったです!株で使われる言葉の説明があり重要な部分は赤字で書いてあり良かったです!個人投資の話から企業投資の話に変わる部分は混ざってしまい多少わかりずらかったです。けれど全体的にかわりやすく良かったです(^^)
投資信託の教科書 (アスカビジネス)
角川 総一 明日香出版社 明日香出版社
金融機関職員のためのマンガ投資信託入門
水無月 圭 近代セールス社 近代セールス社 鈴木 雅光
この3年が投資信託の勝負どき―長期保有型投信こそ財産づくりの本命だ
澤上 篤人 明日香出版社 明日香出版社
くたばれ日本スタイルの投信
投資に対する極めて明確な指摘であり、旧来の株式投資・投信にどっぷりと漬かった負け組投資家にとっては、目から鱗が落ちる想いの福音の書。
投資家のための「入門」不動産投資信託―米国リートの成功例に学ぶ
R.L. ブロック プログレス プログレス Ralph L. Block
日本版REIT定着へ向けて
翻訳者は、日本における不動産投資信託の第一人者である。
保険会社勤務のかたわら、不動産鑑定のノウハウを習得した実務家であり、
単なる学者とは違った視点から翻訳してあり、興味深い。
バブル崩壊後、日本の不動産価格は下落したとはいえ、やはり日本経済の根幹は
不動産の資産価値を担保とした銀行融資が中心である。
だからこそ日本の金融技術は欧米に10年は遅れていると言われるのだろう。
日本でもREITが定着して不動産の流動資産化が進めば、日本経済も
直接金融が主体になり、個人投資家の目も厳しくなり、よりクリーンで
オープンな企業経営が求められるようになるだろう。
銀行業務検定試験 投資信託2級問題解説集〈2010年3月受験用〉
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